父の病気を知っても、どうしていいのかわからなかった。
そんなわたしの態度を見て、病院側も不思議に思ったようで、「仲が悪い関係性の家族もいるので」って話を遠回しに言ってきた。
もちろん、わたしは自分の態度がそんな風に病院側に見られているなんて知らない。だからこそ、そんな話を何度かされてようやく、「普通はきっと家族としてもっと違う態度をとる」と気づけた。
確かに父親とは仲悪かった。
十代の頃はまともに話したことないし、お酒に逃げてる大人、としか思わなかった。ここでは書けないようなおかしな行動もあったし、その頃の父は最悪でしかない。
ただわたしも子供を産んで、孫の世話をしてもらうようになると、気持ちにも変化が現れる。母親が施設に入所してからは、だいぶ距離が縮まった。それまではまだ頑固で人の話しを聞かない父も、ちゃんと冷静に話すと聞き入れるようになっていた。
ただ、その関係性ができて数年。
生まれた時から一般的な家庭で仲良くしてたわけでもないから、急に病気と言われて余命宣告されても、気持ちがあやふやだから態度もあやふや。
それをはっきり目覚めさせてくれる出来事がわたしに起こる。
「コロナ」。
コロナにかかり、10日間自宅療養したら何かが吹っ切れた。
そして、きちんと自分と向き合うことができた。
わたしは父親がいなくなることが悲しい。
でも確実にもうすぐいなくなる存在。
今できることは何だろう。
そこからわたしは、できるだけ病院からの指示にはすぐに従い、自分からも連絡を入れる。明らかに前と比べて態度は変わったと思います。
自分の気持ちをちゃんと認める。
自分の言動を認める。気づく。
それができていないから、中身は変わらない。
今回はきっかけがあったけど、できれば自分から気づいて認めた方が早い。
それからのわたしは、年齢的にくる倦怠感もなくなり、すぐに自分の不調に気づきすぐに認める。が日常的になりました。
普段、忙しいからと言って自分を後回しにしてると、心を亡くすことを実感。
自分の「喜怒哀楽」は自分で感じる。
自分の本音も自分で認める。