ようやく主治医と細かい話をする時がやってきた。
自分の意思が強めの父親も、一緒に話を聞くことにした。
呼吸器の手術をしたため、声は出せない。
すべて「うん。ううん。」で答える。
最初にわたしだけが呼ばれて、現状の説明。本人に伝えていいのかの確認をされた。
末期だった。
ほぼ寝たきりの状態のため、手術ができないこと、治療も無理。逆にこの状態では反対します。とまで言われ、吹っ切れた。
わたしは大きく「はい」と頷いた。
今も痰を取る度痛そうにしてるのに、これ以上に辛くて痛い思いをさせるのは無理だ。
最後まで苦しまずにいてほしい。
全くしゃべれない父の本当の気持ちは、今後知ることはないだろう。
ただ、まさか自分が最後の最後、こんなことになるなんて・・・
と思っているではないか、と感じる。
人は誰でもいつか最後を迎える。
だからこそ、「今」を大切に生き抜きたい。