かなりネガティブでマイナスの記憶しかないくらいの母親。
いつも愚痴の聞き役をされていた。
会話の内容なんてほぼほぼすべてがマイナス。
ずっと安定剤を飲んでいて、今も薬が手放せない。
もう何十年も薬を飲んでいる。
そんな親を見て育ったからこそ、反面教師にした。
最初は親せきやまわりに、女だから母親に似る。
年齢を重ねたら、娘は母のようになる。なんて言われてた。
わたしは「その真逆を必ずいく」と決めた。
母とは逆の思考を身に付け、一緒にいる時間もなくし、距離を置く。
日が経てば経つほど、すべてが合わなくなる。
そうすると、母も諦めがついたようだ。
娘には娘の家族がいることに、ようやく気付いたらしい。
最近は、労いのような言葉を言うようになった。
「ごめんね」と言う言葉も。
「ありがとう」って言ってくれる?と毎回お願いするけど、そこだけはどうしても直せないらしい。
どこで身に付いたのか、かわいそうな自分を見せることで、人から構ってもらえる。と言う思い込みが強い。
それも、心を許している相手にだけ見せる態度。
その態度がずっと長年、わたしに向けられた。
今でも時々向けられるが、すべて他の人に相談するので、昔ほど言われなくなった。
若い頃のわたしは、その母から向けられる態度が嫌過ぎて、ただ逃げることしかできなかった。
今は、まわりに相談して、みんなから本人にも伝えてもらえるような環境を作っているので、だいぶ変わった。
過去の嫌な思い出をずっと言っていたけれど、それも年齢的に忘れたらしい。
最近の出来事も、記憶の中から取り出すのに時間がかかる。
ここまできて、ようやくゆっくり関わることができると実感した。
相変わらずよくしゃべるが、内容が昔のように愚痴だけではないのでまだ聞いていられる。
このまま元気で100歳まで生きてほしい。
それが今の願い。